16. 月が白くなりはじめるころ

 

月が白くなりはじめるころ
街灯の火が消えた
歩道に落ちていた明かりの影も
消えた
人の姿はまだ見えなかった
 
鳥が
木立の間を飛んだ
急に方向をかえる遊びに疲れ
鳥たちはやがて
土に翼を休めた
 
人の足音が響く
月曜日
足のはやさで 
曜日がわかる 
 
月は小さくなった
鳥が
月にむかって飛んだ
1羽もはぐれず旋回し
街灯をふり返った